11月になると、軽井沢はすっかり寒くなります。例年より遅めだった紅葉の時期も過ぎ、スキー場もオープンし始めました。いよいよ本格的に、冬の気配を感じます。
秋から冬の軽井沢は、「とにかく寒い!」というイメージが強いかもしれません。でもこの時期は紅葉とあいまって、軽井沢の文化的な雰囲気を楽しむのにぴったりな季節です。せっかく軽井沢に住宅・別荘を建てるなら、避暑地としての軽井沢だけでなく、秋冬の楽しみ方も知っておいてもらえたらなと思います。
今回は、読書の秋や芸術の秋にちなんで、秋冬の軽井沢で文化を楽しむ暮らしをご紹介します。過ごし方の選択肢が増えると、移住のイメージもしやすくなりますよ。
※軽井沢の冬に関する記事はこちら
軽井沢の寒さ、そんなに心配しなくても大丈夫!
軽井沢文学散歩
紅葉の時期におすすめなのが、「軽井沢文学散歩」です。軽井沢は古くから、多くの文豪たちに愛されてきた場所。街のいたるところに、その痕跡が残っています。色づいた木々を楽しみながら、文学ゆかりの地を歩いてみるのも一興です。「読書の秋」に合わせて、軽井沢ゆかりの文学に触れてみてください。
軽井沢にある文学碑
軽井沢の文学を味わうなら、軽井沢高原文庫もおすすめです。軽井沢にゆかりのある作家・詩人の作品や資料が集められており、作家が過ごした別荘も残っています。カラマツやアカシア、ハルニレ等の木々に囲まれた静かな場所で、付近を歩くのも気持ちいいかと思います。
軽井沢高原文庫で触れられる、軽井沢にゆかりのある文学者を一部ご紹介します。
堀辰雄
昭和を代表する小説家で、軽井沢を愛した文豪のひとりです。代表作『風立ちぬ』や『美しい村』は、軽井沢が舞台。堀辰雄文学記念館には、直筆原稿や愛用の品々が展示されています。
川端康成
川端康成は、日本初のノーベル文学賞受賞者です。彼は軽井沢に別荘を購入し、夏場はそこで執筆に励んだといいます。代表作のひとつ『千羽鶴』の一部も、この地で執筆されたとのこと(かつては別荘が残っていたのですが、数年ほど前に解体されてしまいました)。
有島武郎
志賀直哉や武者小路実篤とともに、「白樺派」の作家として知られる作家です。作品には、『カインの末裔』や『或る女』などがあります。彼の父が軽井沢に建てた別荘は、浄月庵として今なお現存。当時は三笠ホテル付近にありましたが、現在は軽井沢高原文庫内に移築されています。
室生犀星
軽井沢を愛した詩人・小説家です。軽井沢を舞台にした作品は多数あり、『杏っ子』『聖処女』『木洩日』などが挙げられます。軽井沢に別荘を建て、亡くなる前年まで毎夏を過ごしていたといいます。
立原道造
詩人であり、建築家でもあります。信濃追分に滞在した経験をもとに、詩『村ぐらし』『詩は』を書きました。軽井沢では、堀辰雄や室生犀星とも交流があったそうです。
紹介した作家はほんの一部です。これだけでも、軽井沢には多くの文化人が集い、多くの作品が生まれてきたことがわかります。こういった歴史があるからか、今でも軽井沢には、文化的な雰囲気が残っているのを感じます。現代作家の中にも、軽井沢移住を選ぶ方は結構いるようです。
現代アートを楽しむ
「芸術の秋」にちなんで、気になるアート作品に触れてみるのもおすすめです。軽井沢にはいくつか美術館がありますが、今回紹介するのは軽井沢ニューアートミュージアム。旧軽井沢にある現代アートの美術館で、総ガラス張りの外観が目を惹きます。日本を中心に、世界各国の芸術作品に触れることができます。設計は、建築家の西森陸雄。庭には、建築家隈研吾によるガラスのチャペルがあります。
アーティスト・トークやワークショップも随時開催されているので、ぜひ参加してみてください。新たな発見や出会いにつながるかもしれません。
教会へ行ってみる
軽井沢には教会がたくさんありますが、それは、軽井沢の歴史に関係しています。
軽井沢が避暑地として発展したのは、海外からの宣教師の影響がありました。きっかけはカナダ生まれの宣教師、アレキサンダー・クロフト・ショー氏。彼は軽井沢の美しい自然に感銘を受け、やがて彼を筆頭に、外国人宣教師やその家族が多く住むようになったといいます。
こういった背景で、軽井沢はキリスト教の雰囲気が色濃く残っており、美しい教会がたくさん建っています。自然と調和した歴史ある教会は、「軽井沢らしさ」を象徴する一部です。静かな気持ちになりたいとき、考えごとをしたいとき、気軽に足を運んでみてください。
軽井沢にある教会の一部
コミュニティに属する
「文化的な暮らし」を楽しむコツは、趣味を共有できるコミュニティに属することです。軽井沢の持つ文化的背景からか、読書会や創作サークル、アートワークショップなど、趣味を通じた交流の機会が豊富にあります。個人で習いごと教室を開く人も多いです。
軽井沢移住の失敗談として、「移住したはいいが周囲に馴染めず、孤立してしまった」という話をときどき聞きます。慣れ親しんだ土地から、友人知人がゼロの状態の土地に移住して、孤独感を強めてしまったと。
新たな場所で生活を築くのは、とても勇気の要ることです。自分も軽井沢移住経験者なので、よくわかります。でも本来、新生活はわくわくすることのはず。せっかくなら、積極的に住民との交流を楽しんでみませんか。
まずは、興味のあるコミュニティに積極的に顔を出してみてください。「元々あったコミュニティに入れないのではないか」という不安もあるかもしれませんが、そんなことはありません。軽井沢には移住者が多いので、快く受け入れられる雰囲気があります。SNSや雑誌などからも情報を得られるので、移住前にぜひ調べてみてください。よろしければ私たちにも、お気軽にご相談ください。
one itにも、首都圏から移住希望のお客様が多くいらっしゃいます。わたしたちは建てて終わり、の関係ではなく、同じ軽井沢に暮らす友人として、長くお付き合いできればと思っています。
心向くままに、自分だけの軽井沢暮らしを
理想とする「文化的な暮らし」は、人それぞれ違います。
別荘で創作活動に励むのもよし、季節ごとに企画展を楽しむのもよし、自然のなかで読書をするのも、森の中をお散歩するのもよし。自分が「楽しい」と思えることを大切にする。軽井沢は、それができる場所です。
移住は、ゴールではなくはじまりです。せっかく好きな土地に移住したのに、楽しめなければもったいない。ぜひ心赴くままに、自分だけの軽井沢暮らしを楽しんでください。
軽井沢暮らしの楽しみ方は、こちらの記事にもまとめています。
軽井沢で送る理想の老後・第二の人生
不安なことや聞いてみたいことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。軽井沢の森で、お待ちしています。軽井沢の建築事務所 one it