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軽井沢で住宅・別荘を建てるときは、景観との調和を大切に

ArchitectureKaruizawa

軽井沢の景観を守るために

軽井沢を訪れると、チェーン店の建物や看板の色が、彩度を落としていることに気づくかと思います。これは、建物と自然を調和させ、周囲の美しい景観を損なわないためです。

古くから受け継がれてきた優れた自然と景観を維持、保全、育成するために、軽井沢には、独自のガイドラインがあります。軽井沢で住宅・別荘を建てるときは、軽井沢の一員として意識することを知っておきましょう。

軽井沢独自のガイドライン

軽井沢には、「軽井沢自然対策要綱」という独自の条例があります。これは軽井沢町が、軽井沢国際親善文化観光都市建設法に基づいて制定したものです。「軽井沢ルール」と呼ばれることもあります。ここには、軽井沢町の伝統や自然を守り、街並みを崩さないよう街づくりをするための決まりが記されています。
地域ごとにルールが異なるため、今回は別荘を建てる地域である「保養地域」のルールについてご紹介します。

建物の色

軽井沢では、建物の色にも制限があります。指定されているのは、彩度4以下、明度7以下の色です。そのため、景観にそぐわない色や奇抜な色は使えません。別荘のデザインを決めるときは、彩度や明度が規定をオーバーしないように気をつけましょう。

建物の高さ

建物の高さは、10m以内、かつ2階建てまでと決められています。軽井沢の木々の高さは、約10mほどだと言われています。家が森に調和するように、高い家は建てられないことになっているのです。
私たちも、森に溶け込む「屋根が低い平屋」を得意としています。高さがないと窮屈に感じるのでは、と不安を抱かれる方もいるかもしれませんが、設計によって、高さがなくても広々と解放的な空間を実現することができます。

道路と隣接地との距離

建物が密集して、景観を損なうのを防ぐため、道路や隣接地との間隔についても制限されています。道路からの距離は最低5m、隣接地とは3mかつ建物の高さの1/2離れることになっています。
そのため、マンション暮らしのように近隣に対して音のことで気を使う必要もなく、特に子育て中の方は、のびのびと子供を遊ばせることができます。ピアノやドラムなども楽しめちゃいます!

屋根に勾配をつける

背景となる山並みや、自然環境との調和を取るため、屋根に勾配をつける決まりになっています。さらに、壁面の汚損を避けて良好な景観を維持するため、50cm以上の軒の出がある屋根にすることが基本です。

木を残す

家を建てる敷地内に生えている樹木は、できる限り残すことが求められます。軽井沢では、あくまで「森」が主語。私たちは、森に住まわせてもらう立場です。
さらに、建物の周囲に植栽をすることも基本ですが、その場合は、元々その場所にあるものでなければなりません。生態系を壊さないよう、植えるものにも注意が必要です。

塀はつくらない

塀やその他の遮蔽物は、基本的には設けない決まりです。緑の広がりを遮断してしまうと、野生動物が通り抜けられなくなってしまうからです。
やむを得ず設置する必要がある場合は、コンクリートブロック等は使わず、樹木等、自然環境を壊さないものを選びましょう。

最小区画

軽井沢の自然や景観、街並みを守るために、一区画の面積は最小で1000平方メートル(302.5坪)と定められています。このルールは主に、土地の分譲や、相続で分筆を行う際に関係してくるものです。

軽井沢との自然と一緒に暮らす

今回紹介したルールを詳しく知りたい場合は、「軽井沢自然対策要綱」をご確認ください。決まりがたくさんあって大変だと思われるかもしれませんが、それくらい、軽井沢は自然との調和を大切にしている場所だということです。長い歴史のなかで大切に育まれてきた軽井沢の情景を守るために、ガイドラインを守った上で、理想の住宅・別荘を建てましょう。気になることがあれば、いつでもご相談ください。